ByeBye
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中学生になってすぐのことだった。
私―――日向 有那(ひなた ゆな)と、彼―――水原 樹(みずはら いつき)は、席が隣になったことで仲良くなった。
よくある話だ。私たちの友情は、そんなありきたりなことから始まった。
最初は挨拶を交わす程度だったけれど、毎日顔を合わせるうちに話す回数も増え、徐々に打ち解けていった私たちは、自然と“親友”という名前の付く関係がしっくりくるようになった。
2、3と学年があがっても私たちの関係は変わらず、周りの友達にも公認されるほどになった。
用のない電話やメールは当たり前。休みの日に2人で遊びにも行くこともしばしばあった。
お互い付き合っている人はいなかったこともあり、私と樹が2人でいることに気を使う必要はなかった。
だけど、そうしてるうちに変化があったのは私の方だった。