ByeBye
流れるままにドサッ…とベッドに組み敷かれた私に、彼は言った。
「…初めて?」
彼の声に導かれるように小さく頷くと、「…優しくする、」とだけ言ってまたひとつキスを落とし、首筋に顔を埋めた。
「…っん、」
ときどき頬をくすぐる彼の柔らかい髪。思わず声が漏れる。こんな声が自分から出るなんて思ってもみなかった。
恥ずかしくて下唇をきゅっと噛むと、樹はその大きな手で包み込むように私の頬に触れた。
「…声、我慢しないで」
「んっ…ふ、」
彼の低い声と同時に合わさった唇。閉じられた唇を割って、彼の舌が私のそれを優しく絡めとる。
キスを繰り返しながら、樹は私のネクタイに手をかけた。
しゅるり、小さく音を立ててほどかれたネクタイは、そのままベッドの外に投げられた。