ByeBye





「、あ、っぁ…っ!」



返事をする前に、ズンッと突き上げられた身体。急に何かが身体のなかに入り込んできて、声にならないくらいの激痛が私を襲う。



「…痛…っ、ん」

「…っ、入った、」

「ん…っ、ん、樹、」



「…動くよ、」と言った彼にうなずく間もないままに動かされた腰。徐々に痛みはなくなり、代わりに快楽と呼ばれるそれが押し寄せてきた。高くなる声。汗ばむ身体。絡み合う手。



「樹ぃ…っ、」


振り絞る声で呼んだ彼の名前。



「…っ有那、」


少し顔を歪めながら呼ばれた、私の名前。





「…っ有那、…俺、────」





彼が果てる直前に小さく呟いた言葉は、必死に彼についていこうとする私の耳には届かなかった。


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