ByeBye
言葉に詰まった。すぐに頷くことも、嫌だと断ることもできない。そんな私に、彼は言葉を続ける。
「嫌?」
「…っえ、」
「俺とはもう、話したくない?」
「やっぱやめとこうかな」なんて、少し悲しそうに言う彼。
…そんなのずるい。
本当は会いたくて仕方がなかった。こうやって、私にだけ話しかけてくれることを期待していた。
「…一緒に食べよう、」
昨日のことも、さっきの光景も今はどうだっていい。考えるより先に、そう口が動いていた。
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適当にパンを買って、2人でカウンター席に並んで座る。
…3年ぶりの樹。何話せばいいんだろう。
思うままに頷いてしまったけれど、冷静になって考えるとかなり気まずい。買ったばかりのクリームパンを頬張りながら、そんなことを考える。
すると、ミルクティーを飲んでいた手を休めながら樹がふいに私を見た。
「…な、なに?」
「……いや、久しぶりだなと思って」
「…そうだね、」