ByeBye
なんてそんなことを考えているうちに、あっというまに目的地にたどり着く。
店内に入り、店員さんに待ち合わせの旨を伝えると、窓際の席に通してくれた。彼がどのくらいで来るかもわからなかったので、先にカフェオレを頼み、彼が来るのを待った。
数分後、注文したカフェオレが席に運ばれてくるとほぼ同時に、チリン…とドアが開く鈴の音が聞こえた。
彼は店員さんと会話をしたのちすぐに私の姿を捉え、軽く会釈をしてこちらに向かってきた。
「…ごめん、またせた」
「ううん。…春川くんも何か頼む?」
「あ、うん。…すいません、ホットティー1つ追加お願いします。…ミルクで」
カフェオレを運んできてくれた店員さんが「かしこまりました」と頭を下げ、背を向ける。店員さんが遠のいていったのを確認して、私と春川くんはお互いに目を合わせた。
前に遊んだ日から大分時間も経っていたこともあり、彼とまた話す機会があるなんて思いもしなかった。
私は彩羽のように自分から発信するタイプではないし、きっと彼もそうだろう。