ByeBye







「なんか…」

「うん?」

「なんか、有那……可愛くなったね」





突然そんなことを言いだした彼は、恥ずかしそうに私から目を逸らした。ドクン…と心臓が動き出す。




「そ、そんなことないよ。………樹も、相変わらずかっこいい、」



「可愛くなった」と言われ、流れに頼り私もそういえば、「はは、お世辞はいいよ」と言われてしまった。私が彼の言葉に便乗してそう言ったのだと勘違いしてしまったのかもれない。

…違うのに。本当にそう思っているのに。





「っ、…かっこいいよ、樹は。…昔から」





これ以上かっこよくならないでほしい。平凡な私が、樹みたいにかっこよくて綺麗な人の隣を歩くことが申し訳なくなる。そう思いながら、私は小さくそう言った。




「…そか、ありがとう。それより、どっか入る?久々だしゆっくり話そう」

「あ、うん。そうだね」

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