ByeBye
「これからあたしが話すことは全部、樹に許可もらったわけじゃないけど…、」
「…はい、」
「…あんたには、知る権利があると思うから」
どんな彼でも、樹は樹だ。
たとえ知りたくなかった過去だとしても、もう彼に会うことができなくなっても、───私は今度こそ、ここでけじめをつけなくちゃ。
「…聞かせてください──私の知らなかったこと、全部」
私の言葉に頷いた唯乃さんが言葉を繋ぐ。
「…あたしと樹は、」
ぎゅっと握りしめる手に力を込め、彼女の声に耳を傾けた。
「────ある日突然、義理の兄妹になった」