ByeBye
…だけど、そんな感情も日が経つにつれて薄れていって、気づけば3年。
高校も決まって、気が楽になっていた15歳の春休み。
和臣さんに、ある1本の電話がかかってきたらしい。
それは、元妻である恵さんが病院に緊急搬送されたとのこと。
電話を受けた和臣さんの顔は一気に青ざめて行って、震える手を必至に抑えながら家を出ていった。あたしとママも、勢いに押されて一緒について行くことになった。
病院に駆けつけると、1度だけ見たことのある恵さんは、痩せていて、元々白かった肌はいっそう白さを増してやつれていた。
そして、苦しそうに眠る恵さんに寄り添うように手を握る、彼。
一目見て、それが“樹”であると悟った。