無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
高瀬は友達?
次の日、バイトで夜遅くまで働いたあとファミレスを出た。
ふとタワーマンションの前を通ったとき、自然と足が止まる。
そういえば、高瀬ってここに住んでるんだっけ。
今頃なにしてるんだろう。
思わずスマホを手にして、メッセージアプリで高瀬の名前を出す。
スタンプを大量にやり取りした日以来、特に用事もなかったので高瀬とは連絡を取っていない。
幸いにも明日は日曜日。
高瀬なりにわたしのこと心配してくれてたよね……。
一応、報告とかするべきなのかな?
マンション前で頭を抱えていたら、オートロックのドアが開いて中から誰かが出てきた。
「あれ、たまちゃん?」
「た、高瀬……!」
うわ、なにこの偶然。
しかもマンション前で立ってるとか怪しすぎるでしょ、わたし。
高瀬はスウェットにパーカーという超ラフな格好。
寝ぐせがついた髪もボサボサ。
「なにしてんの? こんなところで」
「高瀬こそ、どっか行くの?」
「俺は今から走りに行くとこだよ」
ええ?
そんなスウェットで?
パーカーで?
まさに寝起きの格好だよ、それ。
マイペースだなぁ。
「もしかして、俺に会いにきてくれたとか?」