無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

向かい側に並んで座られ、ちょっと緊張しながらご飯をパクリ。

なぜか渡瀬くんはニコニコ顔でわたしを見つめている。

そんなに見られると食べにくいな。

「ねぇねぇ、環、合コンするの?」

美保がコソッと耳打ちしてきた。

「うーん、一応そういうことになってる。権田くんに行くって返事しちゃったしなぁ」

メンバー集めなきゃだけど、それよりも問題は高瀬だ。

あのときうやむやになっちゃったけど、きわどいこといっぱい言われたっけ……。

『嫌だったんだ』

『俺だけ見ていてほしい』

『俺以外の男と会ったりしないで』

たしかにそう言われた。

気まぐれだと思って流したけど。

「なんだか面白そうだね。あたしも参加しようかな」

「なに言ってるの。美保には彼氏がいるでしょ」

「いいのいいの、事情を話せばわかってくれると思う。環の保護者として最後まであんたを見届けなきゃね」

「えー……!」

「うふ、楽しみ」

美保ってば、絶対楽しんでる。

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