無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

「たたた、高瀬、くん……?」

「あはは、ガチガチじゃん」

そりゃこんなことに慣れてませんから!

そう言ってやりたいのに言葉が出ない。

目の前には高瀬くんのドアップ。

間近で見てもこんなにカッコいいなんて、反則だ。

学校生活始まって以来のありえないハプニング。わたしの人生史上歴史に残る出来事ナンバーワンと言っても過言ではないくらいだ。

腰に回された手が背筋をそっと撫でた。

「な、なにすんのっ……!」

「反応がいちいち面白すぎ」

フーッ耳に息を吹きかけられて、体がビクンと跳ねる。

「やぁ……!」

「はは」

遊ばれてるよね、確実に。

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