無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

ロックを解除して中へと連れられた。

そこはホテルの一室のようになっていて、ソファやベッド、テレビやテーブルが設置されている。

「ねぇ、高瀬、いきなりなに……?」

「あいつにどこ触られたの? 言わなきゃ無理やり体に聞くから」

「へっ?」

──ドサッ

座り心地のいいソファに座らされて、高瀬がすぐ隣に沈みこむ。

ギシッとソファがきしむと同時に、高瀬に押し倒された。

背中に当たる革の冷たい感触。

手首を押さえつけられて、上からまっすぐに見下される。

憂いを帯びた顔と熱っぽい瞳……。

高瀬の全部に心臓がフルに動き出す。

ドキンドキンと、感じたことがないほどの激しさ。

「ねぇ、ここ?」

わたしの頭に手をやった。

「ここ触られた?」

ちが、う。

ちがうけど、反応できない。

「ちがうんだ。じゃあ、ここ?」

額、鼻……細くてきれいな指先が徐々に下りてくる。

「な、なんで、こんなこと……」

「ん? だって言ったよね?」

そして、高瀬の指が頬に触れた瞬間──。

「体に聞くって」

ビクン。

ありえないほど反応してしまった。

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