無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
「権ちゃんに説教されるとか、世も末だな」
「お前はまた、そんなふうにはぐらかして。さっさと告れよな! さもないと他の男に取られるぞっ!」
遅くやってきた初恋とか、勘弁してよ。
ただ、振り向かせたらどんな反応をするのかなっていう好奇心。
好き……?
これって全部それに当てはまるの?
いや、でもまさか。
自席に戻ってチラリと後ろを振り返る。
教室でもマフラーを巻いてるたまちゃんを見て、首をかしげる。
「取らないの?」
「へっ?」
「マフラー。暖房ついてんだし、暑いくらいなのに」
「だ、誰のせいだと思ってるの……っ」
「え? 俺のせいなの?」
「バカ……っ」
キュッと唇を噛みしめて、恥じらいを見せるたまちゃんの姿に胸が弾んだ。
なんだこれ。
かわいすぎる。
かわいすぎて他の誰にも見せたくない。
「た、高瀬がつけたんでしょ……?」
そんなに怖い顔をしたって全然効かない。
「キスマーク……」
はっ、そういえば。
「高瀬の、せいなんだからね……っ」
かわいい声で囁くように言うたまちゃんに、心臓をズドンと撃ち抜かれた。