無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
ダブルデート
「……き、環!」
「へっ……!?」
う、わぁ。
やばっ。
ボーッとしちゃってた。
休日のカフェで穂波とお茶しながら、ぼんやり浮かんだ高瀬の顔。
キスマークはすっかり消えて、合コンの日から早いもので一週間。
「どうしたの? ボーッとしちゃって」
「あ、いや、なんでもないよ。あはは」
この一週間、高瀬の様子がなんだか変で。
目が合うとあからさまにそらされたり、逃げるようにどこかに行ってしまうことが多々あり。
なんなの……?
わたし、なにかした?
そう思っても聞けるはずもなく、なんだか少しモヤモヤしてる。
まぁでもべつに、高瀬のことだから意味はないんだろうな。
「ねぇねぇ、環」
「んー?」
「うちのクラスで噂になってるんだけど」
「うん?」
「環と高瀬くんって、付き合ってるの?」
「ぶっ!」
ガシャン
カップを持ってた手が滑って、大きな音が鳴った。
「高瀬くんって、いろんな噂があるでしょ? それで少し心配になって」