無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
夜、ベッドに横たわりながらスマホを高く掲げた。
メッセージアプリを開いて、高瀬とのやり取りの画面に移行し、文字を打とうと試みる。
さて、とんでもないことになったなぁ。
高瀬とデートか……。
どんなふうに誘えばいいんだろう。
『今度一緒にデートしよ?』
いやいや、デートっていう単語は使わない方がいいかな?
デートじゃないもんね。
『今度一緒に出かけない?』
ふたりでじゃなくて、四人だからそれも伝えなきゃダメか。
『西河と穂波とわたしと高瀬で出かけない?』
うーん……。
なんでこのメンバーで?ってなるよね。
『今度わたしと出かけませんか?ふたりきりじゃないので、安心してね!』
うん、こんな感じ?
文字を打つのに十分以上かかるって……。
送信っと!
バクバクしながら送信ボタンを押してスマホを適当なところに置く。
高瀬ってルーズそうだし、返信も遅そう。
──ピコン
「へっ!?」
いやいや、待って。
まだ高瀬だと決まったわけじゃない。
恐る恐るスマホをタップしてメッセージを開く。
「う、うそ」
高瀬だ。
早すぎる。