無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

『うん』

たったひとこと、絵文字もなにもない二文字の返事。

はぁと盛大なため息がもれて、全身から力が抜けていくのがわかる。

って、これじゃあ高瀬の返事を待ってたみたい。

ありえないよ。

ブンブン頭を振って布団を頭までかぶった。

確実に高瀬に振り回されてる。

そんな高瀬とのデートがちょっぴり楽しみだなんて……。

そんなふうには思っていないんだから、絶対に。

──ピコン

「ひゃあ!」

しばらくするとまた音が鳴ってメッセージが届いた。

──ピコン

高瀬ですっ!の文字入りのネコのスタンプと『楽しみにしてる』という短い文章。

「相変わらずかわいい」

この高瀬ネコスタンプ。

穂波とのメッセージのやり取りで、なんと!

デートの日にちが明日に決まった。

西河の部活がないらしく、もともとふたりでデートする予定だったんだって。

邪魔したくないから別日でいいよってメッセージしたけど、こういうのは早い方がいいと言われて押し切られた。

急だったにも関わらず、高瀬にも聞いてみると『大丈夫』とのこと。

こうなったら、うかうか寝ていられない。

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