無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

「はぁはぁ……」

朝から異例の猛ダッシュをしたせいでくったくた。

あ、そういえば昨日、高瀬にわたし以外のメンバーを伝えてなかった!

スマホ忘れたから連絡もできない。

一応高瀬との待ち合わせは電車の中にしておいたけど、ちゃんと乗ってるかな?

寝坊してそうじゃない?

高瀬だもんね。

「たまちゃん!」

えっ……?

駅に着くと遠くの方から高瀬がわたしを呼ぶ声がした。

高瀬はわたしを見るなりこっちに駆け寄ってくる。

「おはよ、たまちゃん」

「お、おはよう。っていうか、なんでここにいるの?」

待ち合わせは電車の中だったよね?

高瀬がここにきても、結局高瀬のマンション方面に電車で向かうんだから……。

「朝早くに目が覚めたから、ランニングがてら走ってきたんだ」

「うぇ? ここまで?」

「もちろんだよ。早くたまちゃんに会いたかったしね」

やばい、朝から高瀬が眩しい。

キラキラした眼差しを向けられて、胸がキュッと縮まった。

普段ラフでパーカーとか着てる姿しか見たことないのに、今日の高瀬はパリッとしたジャケットを羽織って一段とおしゃれだ。

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