無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

広い肩幅に、筋肉質の胸板。

あふれる色気が魅力的……。

なんなの、心臓。

昨日の夜から忙しすぎる。

「これって一応デートでしょ?」

頬をかきながら、照れくさそうにうつむく高瀬。

「デート、なのかな……? そうじゃないと思いたい」

「デートでしょ。俺はそう思ってるよ。だこらちゃんとした格好できたんだし」

「ふ、ふーん。そう」

赤くなった顔を隠すように高瀬を追い抜いて、改札を抜ける。

後ろから高瀬もついてきて、ホームへ上がるのためにエスカレーターに乗る。

後ろに高瀬がいるってだけで、ものすごく落ち着かない。

じっと立っていると、後ろから高瀬が顔を近づけてきた。

「!!」

「今日のたまちゃん、超俺好みなんですけど」

「なななな、なに言ってんの……!」

「ベレー帽に三つ編みの女の子って、すっげーそそられる」

高瀬がフッと耳元で笑ったのが気配でわかった。

耳にかかる吐息がものすごく熱い。

「耳まで真っ赤だよ」

「う、うるさい」

自分でも自覚してることを、イジワルッぽく言わないで。

とっさに耳を手で覆う。

するとますますクスクス笑われた。

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