無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
半分ほどまわり終えたところで、トイレに入った。
するとさっきの様子を見ていたらしい穂波がニヤニヤしながらわたしをからかう。
「手を繋いでたでしょ?」
「あ、あれは高瀬が勝手に」
「うふふ、なんかイメージとちがったなぁ」
「え?」
「環の話を聞いたときはビックリしたけど、一途なんだね高瀬くんって」
「一途? あいつが? 甘い言葉並べて簡単に迫ってくるようなヤツだよ?」
それなのに、どこが一途だっていうの。
色んな子に同じことしてるよ。
「昨日高瀬くんの話をしてるときの環は、心の底から嫌だと思っているようには見えなかったよ」
手を洗いながら穂波がにんまり笑った。
「うぇ!?」
「だから、少なからず好意抱いてるんだろうなって思ってたんだけど。ちがうの?」
「そ、それは……っ」
「本気で嫌だったら、あたしの提案に乗ってこないはずでしょ? 好きでもない相手とのダブルデートなんてさ」
「うっ……!」
図星すぎてなにも言い返せない。