無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

トボトボと去って行く女の子たちの声なんて聞こえていないかのように、満面の笑みを浮かべる高瀬。

「お腹空かない? ランチにしようよ!」

「え、あ、そういえばもうお昼?」

「そうだよ、俺めちゃくちゃお腹空いた。たまちゃんはなにが食べたい?」

そういえばわたしも、朝ごはん食べてないからペコペコだ。

「高瀬くん、さっきまでと態度がちがいすぎるね」

「え、俺? まぁ、俺は基本的に他人に興味ないタイプの人間だからね」

「じゃあ環のことは?」

「え?」

ちょ、穂波?

なにを言うの?

高瀬、キョトンとしちゃってるじゃん。

「環のこと、いい加減な気持ちだったらあたしは認めない。傷つけたら絶対に許さないから、覚悟しといて」

「ほ、穂波……!」

「環は黙ってて」

「うっ、はい……」

戦闘態勢で高瀬に突っかかる穂波は、真剣な表情を浮かべている。

それを見た高瀬も笑みを消して真面目モードに突入。

普段だらけた顔がキリッとすると、なんでだろう、すごくカッコいい。

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