無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

恐る恐る振り返ると、たった今登校してきたであろう気だるげな高瀬が立っていた。

そういえば、廊下にいる女子がさっきよりもぐんと増えた。

みんな遠巻きから高瀬を見て、頬を真っ赤に染めている。

今までどれだけの女子が高瀬に告白したかなんてわからないくらいで、その度に高瀬は女子を泣かせてるって噂も知っていた。

だけどその一方で、振られても諦めきれない女子たちにせがまれたら遊んでいるとも聞いた。

単なる噂だと思っていたけど、昨日のことを思うとあながちまちがいではないのかもしれない。

「おはよう、高瀬くん」

「うん、おはよ」

固まるわたしの前で何事もなかったように微笑む高瀬は、屈みながら平然とわたしに視線を合わせてきた。

「おはよ」

「…………」

どうしてそんなに普通にしていられるの?

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