無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
みんな雑誌に出てくるモデルさんみたいにキラキラ眩しい。
「さっきすっごくカッコよかったよ〜!」
「ほんとほんと! バスケが上手だなんてビックリ〜!」
隣のクラスの女子たちだ。
「出た、にわか高瀬ファン」
「に、にわか……?」
「バスケしてる姿がカッコいいって、一気に人気が上昇したんだよ」
「……そうなんだ」
そんな子たちに囲まれている高瀬が、ものすごく遠く感じた。
「高瀬くんの特別は環なんだから、堂々としてればいいんだよ」
特別?
いやいや。
「わ、わたしなんて、キラキラ眩しいわけでもないし、身長だって低くて胸もぺたんこ……女子力なんてひとつもなくて」
敵わない、あんなかわいい子たちに。
「お、珍しく自虐的だね」
「だってだって! わたしが特別視される要素なんて、なくない?」
「へぇ、ほう。そんなふうに言うってことは、環は高瀬くんの特別になりたいわけだ?」
「……っ」
「好きになっちゃった?」
うそついても美保にはきっと見破られる。
でも、だけど。
認めたくない。