無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
だ、ダメだ、高瀬んちのご家族って、一般的な家庭のオーラとはかけ離れてセレブリティ満載。
目立つし華があってご両親ともとてもきれい。
高瀬はどちらかというとお父さん似だなぁ。
「環ちゃん、さぁ、どうぞこっちへ座って〜!」
「は、はいっ。失礼します」
「だめ」
「え?」
「たまちゃんと俺は勉強するの。母さんと話してる暇はないからね。俺の部屋行こ」
「そ、そんな〜! お母さんも環ちゃんとお話がしたいわ〜! 李音ちゃんのイジワル〜!」
「母さんに付き合ってたら日が暮れるから」
悲しそうに眉を下げるお母さん。
「李音ちゃんが初めて連れてきてくれたお友達と仲良くなりたいのよ〜!」
「た、高瀬、クン。ちょっとだけ。ね?」
家に上がらせてもらってる身としてはなんだか申し訳なくて、気づくと高瀬を諭していた。
それにしてもクン付けって呼びにくいな。
「李音、あまり母さんをいじめてやるな。お前を心配してのことなんだからな」
「そうよ〜、誰ひとり李音ちゃんは家にお友達を呼んでくれないんだから〜!」
どうやら高瀬が言ってたことはほんとだったらしい。