無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
「それは、そうだけど……」
だけどそれよりも、今は高瀬の言動の方が気になるわけで。
クリスマスのことだってまだ言えてないのに……。
なんだかいろいろとハードルが高すぎない?
そんな状態で勉強なんてできないよ、なんて思っていたら。
「そこはこの公式を使うんだよ。あと、この式にこれを代入して」
教え方がすごくうまくてスラスラ頭に入ってきた。
今まで解けなかった問題も理屈がわかるようになれば面白いもので。
「わ、解けたぁ!」
気づくと両手を挙げてバンザイの格好。
今まで自力でやっても全然わからなかったのに〜!
「ありがとう、高瀬!」
嬉しくて思わず高瀬の手を握った。
「まだまだわからない分野たくさんだけど、今のわたしならできそうな気がする」
「はは、うん」
「ほんとにありがとね!」
にっこり笑ったら、高瀬はみるみるうちに顔を赤くして最後にはうつむいた。
「ほんとずるい」
「た、高瀬?」
「ねぇ、わかってる? ここ俺んちだよ?」
「う? うん? そうだね」
「ふたりきりなんだよ? 手なんか握ってきて、なにされてもモンク言えないよ?」
「へっ……?」
なにされてもって、なに?
なにされちゃうの?
固まっていると、なぜか真顔で顔を覗き込まれた。