無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

「せっかく気持ち切り替えたのに、たまちゃんの笑顔に一瞬で壊される」

どうしてそんなに熱っぽい眼差しでわたしを見るの?

なにを考えてるの?

「俺のなけなしの理性がグラグラだよ」

なけなしの理性って?

さっぱりわからないんですけど。

「ねぇ、たまちゃん」

切なげな声で名前を呼ばないで。

高瀬の『たまちゃん』に、ありえないほど鼓動が跳ね上がる。

「どうしてくれんの?」

「な、なにが……?」

「いろいろ限界って話」

「?」

「わかんないよね、たまちゃんには。真っ白だし?」

「……っ」

熱っぽくなってく顔を見て、わたしまで顔が赤くなる。

高瀬の気持ちはどうなのって聞きたい。

めちゃくちゃ聞きたい。

でも、もしもわたしの自惚れだったら……?

誰にでも言ってたらどうしようって、そんなふうに考えちゃうわたしがいる。

不安なんだよ。

高瀬の気持ちがわからないから。

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