無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

いいからと押し切られ、よーくお礼を言ってペットボトルを受け取る。

「あ、あの、ひとつだけいいですか?」

「うん? なに?」

「どうしてわたしだったのかなって。他にかわいい子はたくさんいるのに、なんでなのかなって疑問で」

「ああ。環ちゃんって、押しに弱そうだなって思って。迫ればいけるんじゃないかなってね。ほら、ふわふわしてるしさ」

「ふ、ふわふわ?」

押しに弱そう?

迫ればいける?

「や、でも。かわいいと思ったのが大前提だかんね? じゃなきゃ声かけないし」

「そ、そうですか……」

取ってつけたように言われても、ね。

「ほんとごめん。まさか、学年一のモテ男と付き合ってたとは思わなかった」

「つ、つきあ……?」

「付き合ってるんでしょ? 高瀬と。じゃなきゃ乗り込んでくるはずないし」

やっぱりみんなそう思うもんなのかな。

って、そりゃそうか。

でもでも、実際は付き合ってないんだけど……。

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