無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
「じゃあ、高瀬に振られたら俺のとこきてね! 環ちゃんならいつでも大歓迎だからさっ!」
ちょっと冗談っぽく笑ってから、渡瀬くんは校舎の中へ走っていった。
苦手には変わりないけど、ちゃんと謝ってくれたから許そう。
最後のセリフは聞かなかったことにして、わたしも歩いて教室に向かう。
冬の朝の校舎はかなり冷たくて、歩いていたらブルッと震えた。
はぁ、どうしよう。
なんて思いながら階段をのぼっていると、教室がある階にたどり着いたところで高瀬が待ち構えていた。