無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
今日一日ずっと、授業が終わるたびに期待してた。
高瀬が振り向いてくれること。
期待して、落ち込んで、期待して、落ち込んで。
『ごめんね』って、いつもみたいに振り返って無邪気に笑ってくれないかなって……。
思ってたんだ。
ねぇ、こっちを向いてよ。
高瀬……。
もうこれ以上、自分から声をかける勇気なんてない。
「あ、高瀬くんいたー! ねぇねぇ、クリスマスの返事考えてくれた〜?」
教室のドアから真理ちゃんが顔を覗かせた。
声を弾ませて、メイクもバッチリ。
「返事を聞かせてくれないかな?」
朝のこともあるし、すごくモヤモヤする。
椅子から立ち上がった高瀬が真理ちゃんの元へ歩いて行く。
行っちゃうんだ……?
なんて返事をするんだろ。
嫌だ……行かないで!