無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

あ、ダメ……。

涙が出てくる。

とりあえず保健室に避難しよう。

ハンカチだけを握って、うつむいたまま立ち上がると教室を出た。

無意識に高瀬を探してる自分がほんとにバカみたい。

今は会いたくない。

昨日みたいな態度を取られたら、今度こそ確実に立ち直れない。

階段をおりようとしたら、すれ違いざまにきた人にぶつかって。

その拍子にギリギリのところで止まっていた涙が目からこぼれた。

「す、すみませんっ」

ロクに顔も確認せず、猛ダッシュ。

絶対変に思われただろうけど、泣いてるところ見られなくてよかった。

「はぁはぁ……っ」

寝不足でのフラフラ状態で猛ダッシュしたせいか、すぐに息が上がって膝に手をつく。

体力なさすぎっ。

弱すぎ。

ダサすぎ。

なにやってんの、ほんと。

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