無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
「う、ううっ……」
高瀬の……。
「高瀬のバカァ〜……!」
なんでそんなに怒ってんの?
そこまで悪いことした?
いくら考えてみても理由なんてわからなくて。
「昨日一晩悩んだんだから〜……! バカバカ!」
それなのに高瀬は真理ちゃんとイチャイチャしてるし、クリスマスだって一緒に過ごすんでしょ?
「バカ〜……!」
「そんなさ、何回もバカバカって言わないでよ」
「!!」
えっ……?
はぁはぁと後ろで聞こえる息遣い。
「俺だって傷つくんですけど」
まさかまさか、そんなっ……。
ピキッと固まったわたしの眼前に、ふわっとなびく茶色い髪。
「な、なんで……?」
高瀬が、ここに?
「さっきぶつかったの俺なんだけど、様子変だったから……心配になって」
「む、無理……! ムリムリ! 追いかけてこないでっ!」
サッと背を向けて足に思いっきり力を入れて地面を蹴る。
「たまちゃん……! 待って!」
「無理……っ」
ほんとやだ。
今は会いたくない。