無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
彼女だから

次の日から放課後高瀬と図書室に残って勉強した。

「たまちゃんそこまちがってる」

「え?」

どこ?

高瀬はわたしの真横で机に頬杖をつきながら、指先でノートをトントン弾いてくる。

図書室には他にも人がいて、圧倒的に女子の方が多い。

みんな真面目に勉強しているけれど、たまにチラチラ高瀬を見てはポワンと気の抜けた表情。

うん、わかるよ。ものすごく。

見るだけで癒やしだよね。

勉強の合間の息抜きに最適な、高瀬の甘いルックスに見惚れる女子続出。

「おい」

「へっ!」

「ちゃんと聞いてんの?」

ひぃ!

『おい』だって。

あの高瀬が。

少しばかり睨まれて、素直に反省。

「つい高瀬に見惚れちゃって。えへっ!」

「見惚れるのは大歓迎だけど、ちゃんとやることやってからにして」

あらら。

怒られちゃった。

勉強モードの高瀬って、甘いときとは全然ちがう。

ちょっとスパルタで、表情も真面目。

フニャッとしてない高瀬、めちゃくちゃカッコいい。

特にその横顔に、キュンとしちゃう。

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