無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

『うっわ、なんか今すごい音がしたんだけど』

「ご、ごめん、スマホ落としちゃって」

電話でわかりやすく問題を解説してくれる高瀬に頭が上がらない思いでいると。

『ペース上げなきゃ間に合わないね。明日の放課後は夜までどっかでやろっか』

どこか?

そこまで気を遣わせてしまって申し訳ない。

「あ、それならうちにこない?」

これ以上高瀬に迷惑かけられないし、せめてもの思いでそう口にした。

「明日はお母さん夜勤だし、お兄ちゃんも大学の友達と一泊でスノボ行くって言ってたから家に誰もいないの」

『…………』

「ねぇ、そうしよう。うちは全然遅くまで大丈夫だから」

『……わかったよ』

「あ、ほんと?」

よかった。

『勉強になるかわかんないけど、一応行くね』

ん?

勉強になるかわからない……?

わたしの理解力が悪すぎて、勉強にならないってことかな?

そうだよね、高瀬だって自分の勉強したいはず。

時間を割いてわたしに付き合ってくれてるんだから、なんとしてでも成果を上げなきゃ。

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