無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
「え、たまちゃんは今まで俺を彼氏だと認識してなかったの?」
「あ、いや、どうなのかなぁとぼんやりね」
「ぼんやり……?」
ピンと空気が張り詰めた。
どこで入るのか、そのスイッチは。
「言ってくんなきゃわかんないしさ? わたしってほら、鈍感だから」
「うん、そうだね。鈍感すぎるよ」
「……っ」
「そんなたまちゃんには、たっぷりわからせないとね?」
えっ……?
「なにを、かな?」
「俺の彼女だってこと」
妖しく微笑まれて、変なムードが漂う。
高瀬は向かい側に座るわたしの手をつかんで、こっちへこいと言わんばかりに引っ張った。
「俺の前に座って」
「へっ……?」
「早く」
む、無理。
恥ずかしすぎる。
固まっていると目の前まで高瀬の顔が迫ってきて、キスされた。触れるだけの短いキスに、鼓動が跳ねる。
「たまちゃんはここ」
あたふたしてたら、強制的に高瀬の真ん前にテーブルを向いて座らされた。
「さ、勉強しよっか?」
腰に手が回されて、わたしの肩に顎を乗せてくる高瀬にドッキドキ。
「……っ」
「プリント出して」
プリントを広げてシャーペンを握ったものの、目の前の問題に集中できるはずもない。