無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

「早く解いて」

耳元でわざと色っぽい声を出すなんて……。

「い、イジワル……!」

「どっちが?」

振り返ろうとしたら、高瀬の髪が頬に当たった。

さらに強く引き寄せられて、両手でギュッと抱きしめられる。

そして首筋に唇が当てられて、舌でツーッと舐められた。

「ひゃあ……!」

変な感覚が全身を襲って唇が動くたびにビクンと反応してしまう。

「あっ……!」

腰のあたりが大きく跳ねて、甘い声が出た。

やだ、恥ずかしい……。

やだやだ。

それなのに、高瀬の唇に敏感に反応する素直な体。

「はぁ……」

「気持ちいーの?」

「……っ」

答える余裕なんて、ない。

どんなことになってるか自分でもわからないんだもん。

「かわいいね」

息が上がっていくわたしとは裏腹に楽しげな声がする。

「これ以上のことしたら、どうなっちゃうのかな?」

こ、これ以上……?

鈍感なわたしでも、その言葉の意味はわかる。

さすがにそこまで抜けてない……。

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