無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
甘くてずるい

そして迎えたテスト当日。

この三日は朝起きてから夜寝るまでの時間ずっと、ところ構わずひたすら勉強した。

おかげで手応えはまぁまぁ。それもこれも全部、高瀬が作ってくれたテスト対策のおかげ。

テストが終わるといつもの日常が戻ってきた。

「え、あの子が高瀬くんの彼女?」

「言っちゃなんだけど、めちゃくちゃ普通」

「あたしの方がかわいいよね?」

教室の外から感じるたくさんの視線。

学校中の女子に高瀬の彼女として認識された今、こうやって毎日のように好き勝手言われてる。

「高瀬くんって今まで彼女作らなかったのにね〜!」

「なんであんな子が」

う、それ以上言うのはやめて。

わたしだって傷つくし、高瀬の選択を否定してるみたいじゃない?

いやいや、わたしだってなんでって思ったよ?

特別かわいいわけでもなくて、色気があるわけでもない。

高瀬には美人でお色気たっぷりのお姉さんタイプがお似合いだと思う。

それなのに、なんでわたし?って。

自分でもちゃんと理解してますから、それ以上傷をえぐらないで……っ。

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