無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
「またフニャッとしてる。なんかあったの?」
女子の皆さんの前で、後頭部を優しく撫で撫で。
きゃあと甲高い悲鳴が廊下から上がった。
またなにか言われたらと恐ろしくて、耳を塞ぎたい気持ちに駆られる。
高瀬の彼女になるということは、学校中の女子を敵に回してしまうってことなんだ……。
あることないこと、言われてるんだろうなぁ。
「なんかあったら俺に相談してね?」
言えるわけがないでしょう。
っていうか、わかってよ。察してよ。
みんなが認めてくれるような、高瀬に似合う女の子になりたいんだってこと。
もっと大人っぽくなりたい……。
高瀬の彼女だって胸を張って言えるような自信がほしいよ。
なんて、そんなこと。
とてもとても。