無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

テストの結果がほぼ全部返ってきた。

心配だった数学が一番最後だからハラハラしていたけれど。

「よかったぁぁぁぁ……!」

受け取ったばかりのテスト用紙をこれでもかってほど近づけて点数を凝視する。

どう見ても68点。

そう書いてある。

今回はほんとに難しくて、全体の平均点もいつもよりも低かった。

だからとても不安だったんだけど、結果を見て一安心。

他の教科も平均点か、それをちょっと下回る点数だったけど、全教科無事に補習を免れた。

「高瀬のおかげだよ! ありがとっ!」

嬉しすぎてつい頬がゆるむ。

ニコニコしながら高瀬の顔を覗き込んだら、高瀬は大きく目を見張った。

「べつに……? たまちゃんががんばったからでしょ」

「そんなことないよ。高瀬がいてくれなかったら、どうなってたか」

「……っ」

プイと顔をそらしてそっぽを向く高瀬。

最近こんなふうに素っ気ないことが多いんだけど、どうしちゃったのかな。

「高瀬?」

「なに……?」

「クリスマス、楽しみだね」

チラッとこっちを向いて一瞬だけ目が合うと、高瀬はまたわたしから目をそらした。

「……うん」

短く返事をして、そのまま頬杖をつく。

いったいどうしちゃったの、ほんとに。

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