無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

ニコニコしながら顔を覗き込んできていたのが、なんだか幻のよう。

思えばわたしの家での勉強会のあとから、高瀬の様子がずっとおかしい。

よそよそしいし、もしかして、もうわたしのこと嫌いになっちゃった?

テスト勉強に付き合うのも、内心では面倒だと思っていたのかもしれない。

そんな不安が胸に渦巻いて、心がズーンと沈んでいく。

他の人への対応は変わらないのに、どうしてわたしだけ……。

式中も先生の話なんて耳に入らず、ひとりでずっとモヤモヤしていた。

明日から冬休み。

待ち焦がれていたクリスマスがもうすぐやってくる。

ホームルームが終わるとソッコーで教室を飛び出したのは、穂波との約束があるから。

高瀬と美保にバイバイして、一目散。

「環〜! 久しぶり〜!」

「穂波〜! 会いたかった〜!」

実は今日ふたりでクリスマスプレゼントを買いに行く予定。

お互い彼氏がいるから、楽しみだねって前からふたりで盛り上がっていた。

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