無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
学校の最寄りから電車に乗って大きめのショッピングモールまでやってきた。
店内にはクリスマスソングが流れて、赤と緑がたくさんあふれてる。
いつもならこのムードにワクワクするのに……。
「ねぇ、なんか元気なくない?」
「う、やっぱわかる?」
穂波が西河のプレゼントにとマフラーを物色してる最中に、申し訳ないと思いながらも高瀬への不満をぶつけた。
「あ〜、わかるわかる。陽太もそんなときあったよ」
「え? 西河も?」
「まだ付き合うってことに慣れてないから、彼女の環にどんな態度を取ればいいかわからないだけなんじゃない?」
「そう、かなぁ?」
どちらかというと、慣れてないのはこっちの方だけど。
高瀬はわたしをからかって遊ぶくらいだし、余裕があるように見えたんだけどなぁ。
「自信持って! あの高瀬くんの彼女なんだからね、環は」
『彼女』
聞き慣れなくて、まだしっくりこない気もするけど。
『俺の彼女だって、わかった?』
うっ。
素肌に触れた高瀬の手の温もりが蘇って、全身にカーッと熱が。
ダメダメ、なに考えてんの。