無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
「いいじゃん、教えてよ〜!」
ほんとはバイト中盗み聞きしたから知ってるけど、穂波の口から聞きたいよね。
「し、した。クリスマスは、実は家に誘われてるの……っ」
「へぇ、よかったね! 一緒にケーキ食べたり、パーティーしちゃったりするんだ? 楽しそう〜!」
「いやいや、家だよ? ふたりきりだよ?」
「うん?」
「危機感ないの? それともなに? 環は実はもう高瀬くんとそういうコトしちゃってるの?」
目を大きく見開く穂波に、思いっきり肩を揺さぶられた。
「そういうコト?」
恥ずかしそうにうつむく穂波は、聞き取れないほどの小さな声で囁いた。
「いけないコト、だよ」
「いけない……コト? って、どんな?」
「キス以上のコト……裸でベッドで抱き合うような……」
「ええっ! しし、してないっ! そんなことっ!」
「でしょうね、その反応だと。環、鈍すぎるよ。高校生男子なんてそういうコトしか考えてないんだから、危機感持たなきゃ」
「そ、そういうもんなの……?」