無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
慰める?
そういえば、昨日も言われたな。
「わたしなら大丈夫だから、お気遣いなく」
パッと手を振り払い、高瀬に背を向ける。
「高瀬に頼るくらいなら、自分でどうにかするので」
「どうにかできないから、泣いてたんでしょ?」
「な、泣いてないもん。高瀬なんかと遊びに行きたくない」
「遊び……?」
「慰めてあげるって、そういうことでしょ?」
気晴らしにどっか行ったり、甘いもの食べたり、そういうやつ。
どうして高瀬なんかと出かけなきゃいけないの。
慰めてもらう筋合いもない。
「ねぇ、慰めるって意味わかってる?」
キョトンとした声に振り向けば、やっぱりキョトン顔の高瀬がそこにいた。
「え? わかってるよ。甘いもの食べたりスカッとすることをして発散しようってことでしょ?」
「…………」
なぜか黙り込んでしまった高瀬。
しばらくポカンとしていたかと思うと、これでもかってほど目を細めて笑い出した。
「ははっ。たまちゃんって、案外純粋なんだ」
「純粋……?」
「うん、すごい真っ白」
「真っ白……」
それって、喜んでいいの?
はっ。
だからわたしは怒ってるんだってば。
高瀬のゆるさに忘れてしまいそうになるけれど、流されちゃダメ。