無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

入学してから一カ月、学校生活にもそこそこ慣れてくると、気がゆるんでだらしなくなってくる。

まぁ一応、勉強だけはちゃんとしてるけど。

そのおかげで、学年トップの成績をキープ。

俺って実はやればできるタイプ。

「このクラスでかわいい女子って誰だと思う?」

仲良くなったヤツらと打ち解けてくると、話題はどうしてもそっち系になってくるわけで。

誰がかわいいだとか、彼女がほしいだとか、日常茶飯事の会話。

「つーかさ、誰だったら付き合える?」

話を片手間に聞きながら、ひとりでスマホゲームに夢中になってたら。

「雰囲気とかだけで言うと上条さんかな」

「あー、上条ね。たしかにわかる。小さくてかわいいよな」

誰かが突然そんなことを言い出した。

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