無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

全身が打ちつけられて、激しい痛みがすぐに襲ってきた。

ひんやりした土の感触。

砂が頬に当たって痛い。あちこち痛い。

うわ、だっさ。

なにやってんの、マジで。カッコわる。

『だだだだ、大丈夫……!?』

影が落ちてきたかと思うと、俺のそばにしゃがみ込んで眉を下げてる上条サン。

膝を寄せて、心配そうに俺を見下ろす姿がちょっとかわいい。

はぁはぁと息を切らしながら、汗で前髪がべったり額に貼りついて、髪だってボサボサ。

それなのに必死の形相。

やばい、ちょっとツボかも。

初めてまともに顔を合わせたけど、結構かわいい。

『立てる……?』

『うん、ちょっと無理かも』

なんてのはうそ。

もう少し困らせてみたくなった。

そしたらどんな反応するのかななんて、完全に好奇心。

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