無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
なにそのひとりコント。
べつにそこまで面白くもないはずなのに、面白すぎかよ。
焦ってる上条サンって、案外面白い。
そんでもって、めちゃくちゃツボ。
あ、またこの甘い匂い。
上条サンの香り……。
ふわふわの毛が頬に当たって、くすぐったい。
『た、高瀬くん、がんばって! あ、砂払うね!』
遠慮がちな手つきで砂を払ってくれる上条サン。
『か、顔も、汚れてる。ちょっとごめんね』
その手が頬に触れたとき、胸の奥がチリッと熱くなったような気がした。
『熱っ。熱中症かな? 早く保健室行こ! あ、水分摂った方がいいのかな?』
『とりあえず……保健室、かな……』
気を抜くと意識飛びそうだし。
足元がおぼつかない中、上条サンに支えられてなんとか辿り着いた保健室。
ベッドに横になるなり意識が飛んで、そこからの記憶は一切ない。