無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
『つめた……』
気がついたら放課後で、あたりはオレンジ色に染まっていた。
ありとあらゆる場所に保冷剤が当てられ、とても冷たい。
やっぱり熱中症だったんだな……。
みっともなさすぎ……。
『あら、目が覚めた?』
『あー、はい……』
保健の先生がカーテンを開けてきた。
まだ体はだるいけど、さっきまでの暑さはない。
ふと枕元に視線を落とすと、なにかがパンパンに詰まったビニール袋が置いてあった。
中身は大量のスポーツドリンクや水、カロリーを補給できるようなゼリーまで。
なにこれ?
まじまじそこを見つめていると、保健の先生がクスッと笑って教えてくれた。
『ふわふわ頭の女の子が、泣きそうな顔しながら置いてったのよ。購買で買い漁ってきたのね。しっかり水分とりなさい』
『あ、上条サンね……』
それにしても、なにこの数。
すごすぎるだろ。
その中の一本を手に取ると、まだひんやりしてて冷たかった。
まさか、まだいる?
『用事があるからってさっき帰ったけど、引き止めておいた方がよかったかしら?』
『べつに……そんなこと』
そっか、帰ったんだ。
それを知って、少し残念に思う俺。
どうかしてる、絶対に。