無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
「はぁ……」
何回目のため息だろう。
しばらく立ち直れそうにないや。
自分の胸に手を当てて、ちょっとでも痛みを和らげようと試みる。
でもダメ。
全然ダメ。
っていうか、ぺったんこだな……。
わたしはちんちくりんな身長に幼児体形。
頑張ってバストアップの運動も毎日してるけど、あんまり効果はなく。
身長が伸びるように牛乳だって飲んでるのに、今年に入ってからは一センチ伸びただけ。
その点穂波は出るとこは出て、引き締まるとこは引き締まって、スタイルもよくて。
モデル事務所からスカウトされたという経歴もある。
穂波と自分を比べたら……美女と子どもほどの差。
穂波を褒めだしたらキリがなくて、欠点なんて見当たらない。
それほど魅力的な子だから、西河が惚れるのも納得できる。
でも、わたしだって……。
ふわふわのくせっ毛の髪を毛先だけゆるく巻いて、ツインテールにしたり、ハーフアップにしたり、おろしてみたり。
ネクタイはゆるくもだらしなくもなく、スカートだって雑誌を見てちんちくりんなわたしが一番似合う長さにしてた。
少しでもかわいく見られたくて、がんばっていたのに……。
「……っ」
目の前が涙でボヤけた。
やだ、こんなところで泣きたくなんかないのに。