無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
駅に着いてわたしは徒歩、高瀬は電車。
駅のすぐ隣の本屋さんの前で高瀬が足を止めたので、わたしも何気なく立ち止まった。
「じゃ、じゃあね!」
「あ、待って」
今度はなに?
「まずは連絡先から交換しない?」
「え……」
なんで?
まずはって、なに……?
「だめ?」
眉を下げた不安気な顔をされると良心がチクチク痛む。
「べつに、いいけど」
だから、断れないわたしって……。
「っしゃあ! じゃあ早速」
まさか高瀬と連絡先を交換する日がくるなんて。
──ピコン
「わ」
「それ俺ね。よろしく」
お試しで送られてきたかわいいネコのスタンプは、まんま高瀬っぽくて笑ってしまった。
「これ、俺のオリジナルスタンプ」
高瀬ですっ!ってスタンプの中に文字がある。
「あは、かわいい」
こういうの、使ってたりするんだ。
「た、たまちゃんが笑った……」