無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
「俺やった。ノート見る?」
「わ、おはよう。高瀬くん。いいの?」
美保が高瀬をロックオン。わたしに見せる笑顔とはちがって、何倍も甘い声を出した。
「いいよ、はい」
「わーい、ありがとう。学年トップの知恵、お借りしまーす!」
せっせと答え合わせをする美保の隣で、高瀬のノートを盗み見る。
わー、意外ときれいな字。
ミミズのような読めない字を期待してたのに。
「高瀬くんって入学式のとき新入生代表の挨拶してたよね。すごいなぁ、今でもトップをキープしてて」
「俺、理数系得意としてるから」
「えー、理数だけじゃないじゃん。オール科目できるよね。英語とフランス語もペラペラだって聞いたよ。運動だって得意でしょ?」
ふ、フランス語……?
ボンジュールってやつ……?
スマホゲームばっかりでガリ勉ってわけでもないし、勉強してるイメージもないから、普段の高瀬の姿からは想像がつかない。