無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
涙がこぼれそうになって、必死に歯を食いしばった。
誰もこないだろうと思ってはいても、ここは学校だから我慢しなきゃ。
それでもさっきのふたりの姿がありありと目に浮かんで、涙はたまる一方。
ショックすぎるよ……。
苦しくて、胸が張り裂けそうだ……。
窓から差し込む涼しい風が、わたしのツインテールを揺らす。
あーあ、こんなことになるなら告白しておけばよかった……。
ゴトッ
「?!」
遠くでなにかが落ちる音がして、カウンターに伏せていたわたしは驚いて反射的に顔を上げる。
その音は図書室の遥か奥の本棚のそばから聞こえた。
だ、誰……!?
誰かいんの?
いや、そんなはずはない。
だとしたら、なに?
ユーレイとか?
やだ、怖い……!
立ち上がり、ビクビクしながら音のした方に近づく。