無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

今日はポニーテールで後ろでふわふわ髪が揺れてる。

「おはよう、たまちゃん」

「うん……」

「なに? どうしたの? 浮かない顔して」

「さっきの話」

「え?」

なんのことを言ってるんだろうとハテナマークが一瞬浮かんだ。

だけど気まずそうなたまちゃんの顔を見て、ハッとさせられる。

聞かれてたのか。

「ごめん。昨日の朝教室を出てったきり戻ってこないの見て、さっきの子といかがわしいことしてたのかなって、誤解してた」

「え?」

俺が真理ちゃんと?

昨日権ちゃんをやり過ごすために、俺が『ご想像におまかせしとく』なんて紛らわしいこと言ったから?

肩を下げるたまちゃんの頭にポンと手のひらを乗せる。

「俺がちゃんと言わなかったのが悪いね。ほんとに保健室で寝てただけだよ。もちろんひとりでね」

「う、うん……」

なんでそんなにシュンとしてんの?

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